『わたしがカフェをはじめた日。』ホホホ座
読み応えのある、カフェ好きにはこたえられない本をお送りいただきました。京都の編集企画グループ「ホホホ座」による『わたしがカフェをはじめた日』。小さなカフェを営む京都の女性店主7人の飾らない声が響いてくるようなインタビュー集です。
登場するお店は、マニアックスター、ひだまり、雨林舎、つばめ、KAFE工船、チタチタ喫茶、喫茶ウズラ。
いずれのお店にもおじゃましたことがあり、そのうち5軒は取材させていただいて自著『京都カフェ散歩』や『京都 カフェと洋館アパートメントの銀色物語』のページに綴ったので、各人のまとっている空気を思い浮かべながら堪能しました。
ふだんからじっくり思考を巡らしていることがわかるひと。優しくてのほほんとしたひと。頭の回転が速くて、しれっと答えるひと。
凪いだ海を沖へと泳いでいると、急にぐんと深くなる場所に出会うことがあるように、カフェ開業とそこにいたるまでの人生についての会話から、決して優等生でも営業用でもない店主自身の顔が立ち現れます。
「でもいまだに接客は好きじゃないけど(笑)」
「OLとか絶対にしたくなかったし、完全な社会腐適合者ですね」
「サービス業をやるんだったら、自分のことはまず捨てろって言われましたね」
よしもとばななの寄稿『あの空気』が素晴らしい! 焙煎家、オオヤミノルさんに聞いた『わたしがカフェをやめた理由。』も興味深いものでした。
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