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2013年9月29日 (日)

ネルドリップと『小津安二郎 戦後語録集成』

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                 (写真は本文とは関係のない京都のカフェ)

「きっとお好きだと思います」と人に薦めていただいた小さな珈琲店。夕暮れどきの店内はまさに理想的な空間でした。

壁に並ぶ本は、ジョン・アーヴィングの原書、レイモンド・カーヴァー、チェーホフ全集、和田誠……とくれば、これらのセレクションの中心的存在である作家が誰か、ぴんとくる人には一秒もかからずに了解されると思います。

手に取ったのは『小津安二郎 戦後語録集成』(フィルムアート社)。ネルドリップされた珈琲を飲みながら、1954年の街の風俗をめぐる小津安二郎たちの対談を興味深く読みました。

これは小津の発言ではなく、参加者の一人である辰野という男性の発言ですが、平たい顔族である日本の女性たちはハイヒールを履きこなせないと揶揄しています。

「ハイヒールというのはね、ちゃんとした横顔を持っていない以上、はいちゃいけないと思うんだ。鼻の高さと比例するもんですね」

つまり、パンプスのヒールの高さは本人の鼻の高さに合わせろとおっしゃっています。日本が敗戦してまだ10年も経過していない時代の、見識なのか卑下なのか。日本女子のファッションが世界中からカワイイと言われるような現象は、この当時の人々には想像もできなかったでしょう。

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