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2011年3月 3日 (木)

barista magazine(バリスタマガジン)2011年3月号

Baristaラテアーティスト澤田洋史さんがアジア人として初めて表紙を飾るアメリカの『barista magazine』3月号は、日本のコーヒー店のスタイルと澤田さんについての特集号。興味深い内容だったのでご紹介します。

ちなみに撮影の舞台は渋谷のハチ公前交差点。澤田さんのクールなジャケットの裏地が豹柄なので、「表紙の“ヒョウ”と豹柄をかけたのですか?」と聞いてみましたが、もちろん違いました。衣装協力はG-SHOCK、NIKE、Supreme

記事は澤田さんのStreamer Coffee Companyがある渋谷のストリートの描写から始まります。
フリーポア・ラテアーティストが手にしたカップへの高度な集中。「ヒロシ・サワダの動きを眺めていると禅のようだ」という一文は、あながち日本人に対するイメージを安易に綴っただけでもないように思えます。至近距離で見るフリーポア・ラテアートの静かな迫力。

「この国ではちょっと歩けばすぐにコーヒーが手に入る。たとえ近くにカフェがなくても、コーヒードリンカーたちは自動販売機であらゆる種類のコーヒーを買うことができるのだ」

そんな世界的コーヒー消費大国で活躍する「スターバリスタ」として名前が登場するのは、澤田さんを筆頭に、Bear Pond Espressoの田中さん、NOZY COFFEEの菊池さん、エスプレッソフェリーチェの武藤さん。

記事では、日本の典型的なコーヒーの特徴がふたつあげられています。
ひとつは「pour over」、つまりマシンではなくハンドドリップで注がれること。もうひとつはお店のテーブルで飲む「sit down drink」であること。シアトル系のカフェが上陸するまで、テイクアウトはそれほど一般的ではなかったのですね。

「日本にエスプレッソが登場したのは最近のことで、伝統的なのはネルでコーヒーをドリップするお店。現在はペーパーフィルターでドリップし、ケーキなどといっしょにテーブルで楽しませてくれるカフェが一般的である」といった説明のあと、日本のコーヒー店のひとつのスタイルを代表するお店として、堀口俊英さんと彼が率いるマイクロロースターグループ、LCFへの言及があります。

おもしろいカテゴライズだなと思ったのは、バリスタ大西正紘さんによる分類。現在の日本のコーヒー店のなかには「competition style」、つまり競技会スタイルのコーヒーを提供するところがある、という視点です。

「日本には丸山珈琲のようにバリスタ・チャンピオンシップのスタンダードなガイドラインに基づくエスプレッソを提供するお店と、たとえばニューヨークスタイルやシアトルスタイルのように、地域性豊かなエスプレッソを提供するお店がある」というとらえかた。原文ではcompetition styleとregional styleという言葉が使われています。

後者の呼び名にはもう少し正確な表現をさがす余地がありそうですが、バリスタが競技会の審査基準にのっとってトレーニングしているお店/それにはこだわらずに独自の個性を打ちだすお店、という分類方法にはなるほどと膝を打ちました。

そのあと、澤田さんへのQ&Aが大々的に3ページ! 大阪での少年時代、将来は何になりたいと思っていたか?という質問から始まります。澤田さんの答えは「柔道と剣道をやっていたからポリスマンになりたかった」。

Streamer Coffee Companyのお店づくりのこだわりなども紹介した、内容充実の価値ある一冊でした。興味をお持ちのかたは私のおおざっぱな訳ではなく、ぜひ原文をお読みになってみてください。

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