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2010年7月15日 (木)

アノメラ(ミコノス島)

20代の旅行先はヨーロッパ一辺倒でしたが、30代でハワイの島々の魅力に目覚め、さらに今回の旅ではいっぺんに地中海ファンになってしまいました。
オアフ島からスタートしてハワイ島、カウアイ島、マウイ島と、個性豊かな島々を数年間かけて少しずつ回っていったように、これからは地中海の島々を巡りたいと、イスロマニア(熱狂的な島マニア(c)池澤夏樹)の魂が揺さぶられています。

Mykonos_dog

旅のいつもの行動パターンは、1日目にとりあえず有名な場所を見物したら、2日目はあまり人の行かないところに足を向けること。「みんなが栗拾いをしているときは、きのこを探せ(糸井重里)」……という戦略があるわけではなく、単なるあまのじゃくです。

ミコノス2日目の朝は、島じゅうできらきらと輝くビーチめぐりはあえてせずに、アテネ空港で購入したガイドブックに小さく紹介されていた「Ano Mera(アノメラ)」に行ってみました。「Hora(ミコノスの中心街)のにぎわいから離れたくなったビジターに」という言葉に惹かれて。

アノメラはミコノス島のほぼ中央にひろがる丘陵地帯に、半分眠ったように横たわるひなびた農村。「Don't blink, or you'll miss it.」と書かれるほどちっちゃな集落です。ガイドブックによればミコノス島で2番目に生まれた村で、1571年にクレタ島からの移民が築いたとか。

Anomera3

アノメラ村の唯一の名所らしい名所は、中央広場に面した「Monastery  of Panaghia Tourliani」。大理石の鐘楼を持つ美しい修道院です。2人の修道僧によって1542年に建てられ、1767年に現在のような姿になったそう。(私の英文和訳はかなり適当です)

建物内部のみどころは、みごとなバロック彫刻をほどこした木製の祭壇。18世紀にフィレンツェの芸術家が造ったというその祭壇は、金箔の上に鮮やかな彩色をほどこし、ほの暗い空間を重たげな輝きで満たしていました。

祭壇のイコンは「Panaghia(パナギア)=聖母マリア=島の守護聖女、奇跡をおこなった」であると書かれています。多少なりともなじみのあるキリスト教の世界観とはまた違うギリシャ正教的世界観が、よくわかりません。8月15日のPanaghia Tourliani祭はミコノス島最大のお祭りだそう。

じっくりと見学して外に出たら、ずっとベンチに腰をおろしたまま身じろぎしなかった白いヒゲの聖職者が「カリメ~ラ!」(こんにちは)と声をかけてきました。
アメリカから来たのか、とギリシャ語で訊ねている様子。いいえ日本から、と英語で答えると、「ああ、ヤポネーザ」と満足げにうなずいて再び目を閉じました。

Anomera2

「中央広場には地元の農産物を集めた市場が開かれ、素晴らしいチーズが販売される」と書かれていましたが、この日は市も立たず、晴れた空の下にどこまでも乾いた丘陵地帯がひろがるばかり。人影はまったく見あたりません。

広場を囲んでタベルナが5、6軒並んでいます。ブーゲンビリアの花が咲きこぼれる一軒を適当に選んで腰をおろし、とにかく冷たいアムステル!(オランダのビールですが、ギリシャでポピュラーに飲まれていました)とズッキーニ入りのムサカで軽いランチ。

タベルナのダンディなご主人は、私がムサカにカメラを向けるとちょっと待ってと制し、テーブルを上の写真のようにセッティングしてくれて…私なら違うセッティングにしますが(笑)…、撮影のあと、「エフハリスト(ありがとう)」の発音指導をしてくれました。

お互いにたどたどしい英語での会話で判明したところによれば、彼はミコノス島ではなくギリシャ北部の出身。シーズン中だけミコノス島に来ており、10月に入るとお店を閉めて北に戻るのだそうです。この広場に面したタベルナはみなそうだよ、と言っていました。シーズンオフのアノメラはおそろしく淋しい村なのでしょう。

【アノメラ村の観光情報】

○修道院が開いているのは9時~13時と、14時~19時30分。

○1日に数本、路線バスが通るようですが、ミコノス島はタクシーがリーズナブルなので私はタクシーを利用。距離的にはHoraから10km以内、料金は片道13ユーロほど。1500円前後ですね。帰りのタクシーは、タベルナのおじさんが親切に電話をかけて呼んでくれました。

○アノメラ村を目的地にするというよりも、行き帰りの車窓の風景を楽しむつもりで出かけるとよさそう。洗練されたビーチとは全く違う、険しい丘陵地帯の眺めが新鮮です。ガイドブックには「日曜日のブランチに出かける場所としてエクセレント!」と書かれていました。

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