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2009年11月26日 (木)

『京都カフェ散歩』メモリアルブレンド

ストレートコーヒーを焙煎するという作業は、ピアニストが作曲家の書いた楽譜を読みとって曲想を解釈し、自分の音で表現するという作業と共通点があるように思います。

たとえば、ここにブラジルの生豆があるとします。それが楽譜。ピアニストが「曲の魅力と個性はどこにあるのか?」を解釈し、その魅力を聴衆に伝えられる演奏に心を砕くように、焙煎者は「豆の魅力と個性はどこにあるのか?」を見きわめ、それを最大限に引きだす焙煎をしなければなりません。

ブレンドコーヒーの場合は、ちょっと違います。それはストレートコーヒーを何種類か組み合わせて、焙煎者がイメージした風味をつくりあげる作業。豆の力をそのまま引きだすストレートコーヒーとは異なり、焙煎者の意図と個性があらわれるのです。

京都カフェ散歩~喫茶都市をめぐる』発売記念に、グラウベルの狩野さんが「京都カフェ散歩メモリアルコーヒー」を焙煎して送ってくれました。これがたいそう面白くて、コーヒー豆をブレンドしてひとつの世界を表現するという作業には、さまざまな可能性があるのだなとあらためて思いました。

事前に「あの本をイメージしてブレンドを考えます」と聞いていたので、もしかしたら本の重要なキーワードのひとつ「伝統と革新」にスポットを当て、昔ながらの喫茶店のコーヒーと、現代的なコーヒーの2種類セットかも…などと心楽しく予想していたのですが、実際に届いたのは予想外の3種類セットでした。

これらは本のイントロダクションに書いた「京都人にとっては町にさまざまな結界が存在する」というくだりをテーマにしたもの。たとえば祇園のあたりでは鴨川が結界になっていて、右岸の人々はもっぱら右岸で遊び、左岸の人々は左岸で遊ぶのです。

町の結界にちなんだ3種類のコーヒーは、鴨川の右岸ブレンド、左岸ブレンド、そして両者をつなぐ架け橋としての『京都カフェ散歩』ブレンド。3種類を飲みくらべて、粋な趣向をおいしく満喫しました。どうもありがとうございます!

ちなみに、町の結界の話を聞かせてくれたのは、河原町三条から祇園に移転したCafe Opalの美しい女性店主と、京都の町を軽やかに自転車で走り抜けるLugolの店主でした。

※私は自宅で淹れるコーヒー豆を全国各地のさまざまな焙煎店からお取り寄せしていて、特定の焙煎店には決めていないのですが、グラウベルは数少ないリピート購入先のひとつ。先々月だったか、私の嗜好にジャストフィットする感動的なストレートコーヒーに当たり、また購入したいと思っているのですが、豆の名前を忘れてしまいました。
最近のスペシャルティーコーヒー系の名前は、産地はもちろん農園の名前まで入ってワイン化しており、それは「クオリティの高い農園の豆を識別できる」という点からまことに好ましいことではあるのですが、私にはもはや覚えられません…。

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