« 青空 | トップページ | 茶人に会う »

2008年6月17日 (火)

Quintessence(レストラン カンテサンス)@白金

4月の備忘録。白金のQuintessence(カンテサンス)にようやく行くことができました。本当に「ようやく」! ミシュランで三つ星を獲得して以来、電話が全然つながらなくて。

夫が私の誕生日ごはんのために何週間も前からトライ。誕生日の前々日になってやっと電話がつながり、この分では1ヶ月待ちは覚悟かと思ったら、「お客さま、たった今、明日のキャンセルが1テーブル出たところなのですが、明日はいかがでしょうか」と言われ、二つ返事でお願いしたそうです。

カンテサンスは若い岸田シェフがパリ修業時代に身につけた独特のキュイソン(火入れ)が大きな特徴のひとつ。最初から最後まで一皿ずつに感動があったので、コースの途中からですが、写真で記録しておきます。
※4月の時点では写真撮影OKだったのだけれど、現在は撮影不可のようです。レストランでは愛用の一眼レフなど恥ずかしくて持ち出せないので、夫のFinePixで撮影しました。

夕食のメニューはコース1種類のみで15,750円+サービス料10%。ワインを入れて二人で合計55,000円くらいでした。1度目の来店のお客様には定番的なメニューを中心に、2度目以上のお客さまにはまた違う料理が供されるようです。

【ワイン】 グラスシャンパン→白のグラスワイン→赤のグラスワイン2種(気をきかせて、料理内容に合わせて果実味系と複雑熟成系とを2種類、少量ずつ持ってきてくれました)

【コース内容】 驚愕の13皿。物足りなかったなんて決して言わせない!というヴォリュームです。

○モリーユのスープ… モリーユ茸の旨味は乳製品の味やクリームの食感と非常に相性が良くて。キノコ特有の旨味が好きな私にはたまらない一口。可能ならおかわりを…。

○山羊乳のヴァヴァロア…岸田シェフのスペシャリテのひとつ。 「主役はオリーブオイルと岩塩です」とメートルに説明された通り、最初にスプーンでプロヴァンス産オリーブオイルだけをすくってみると、新鮮でフルーティーで、視界が金色に輝くような風味。なるほどヴァヴァロアはオリーブオイルをいただくために添えられたもの。上に散らされた百合根の食感も爽やか。

○帆立貝と蕎麦の実… ほんの少し火を入れた甘みたっぷりのやわらかな帆立に、香ばしくかりっとした蕎麦の実がまぶしてあります。つけ合わせは蕎麦の実のリゾット。

Quante_01
ブーダンのタルトとフォワグラ

岸田シェフのスペシャリテのひとつ。すばらしい! ブーダンは豚の血のソーセージ。初めて英国の朝食で食べた時は、ふがふがした食感とぬがぬがした風味に、不思議な食べ物だなあ…と思ったけれど、カンテサンスでは甘みの強い林檎のタルトとブーダンを層状に重ね、みごとな濃厚コンビネーションで楽しませてくれました。フォワグラがまた良いアクセントに。

Quante_02
つぶ貝と焦がしアンディーブ 海草バターのソース

つぶ貝のしなやかでみずみずしい弾力と、アンディーブのほろ苦さ、ソースの磯風味。繊細で複雑なおいしさが、濃厚なブーダンと次の鯛との巧みな橋渡しにもなって。

Quante_03
小鯛のポワレ

こんなに皮がパリッ、カリッと均等に美しく焼けていて、かつ中身は低温長時間加熱のふっくら加減になるなんて! 岸田シェフの修業先、パリ16区のアストランス独自の手法だそう。白身の中に鯛の旨味がみっちり詰まっています。

Quante_04
イベリコ豚の3時間ロースト

こちらも上記の鯛と同様に完璧な火入れ。お肉が限りなくジューシーで風味豊かなので、味つけはシンプルに。つけ合わせのポロ葱のおいしさにも目をみはりました。

Quante_05
(左)マールのソルベ
(右)二度焼いたビスキュイ

メートルの説明によれば、一度スポンジケーキを焼き、それを崩して粉にして、もう一度焼きあげたビスキュイ。香ばしさと、口の中でほろりと崩れる触感のこまやかさが際だちます。葉っぱ型にくりぬいた中に満たされているのはココナッツクリーム。

Quante_06
柔らかいキャラメルのギモーヴ

ギモーヴはフランス版の緩くてジューシーなマシュマロ。最近注目が集まっていますね。舌の上で淡く溶けていくギモーヴ。キャラメルとナッツのまろやかなコク! この日はバースデースペシャルで、白薔薇の飴細工を添え、赤い薔薇ソースの中にも、「先週フランスからいらしたお客さまに10mlだけ分けていただきました」という貴重な薔薇の香料が使われていました。

2ヶ月が過ぎた今でも、何皿かをまるで昨晩食べたかのように思い出せるほど鮮烈な印象。唯一の瑕疵…とい言ってもいいのかどうか、メートルの中に、いや、コミの中にと言うべきでしょうか、口上が少したどたどしい人がいらっしゃるのが、お料理の完成度と較べるとずいんぶんアンバランスに思えました。
運んできたお料理の説明を始めるときに必ず「続きまして~」とおしゃるのですが、その口調がどう聞いても若手芸人。続きまして~と言われるたび、ショートコントが始まるのかと思いました。

|

« 青空 | トップページ | 茶人に会う »

10 その他の東京のカフェ」カテゴリの記事

コメント

「何皿かをまるで昨晩食べたかのように思い出せるほど・・・」私なら、その美味しい記憶を何度でも牛のように反芻してしまいそうです。taurus

そうした素敵なレストランで、本当にボーイさんがショートコントを始めてくれたら、それはそれで楽しそうだと思ってしまうのは、演芸好きのなせるワザでしょうか。coldsweats01
13皿という多皿で構成されるコースだからこそ、最初の一皿以外は「続きまして~」という説明になってしまうのですね。いつの日かこのレストランに行けるときまで、彼が在籍していると嬉しいのですが・・・個人的に(笑)。

投稿: erizo | 2008年6月18日 (水) 22時10分

そういう意味では、erizoさんがカンテサンスにいらっしゃるときには、さらにあのメートル君の芸が磨かれていることを期待してしまいます。
たとえば、3の倍数のお皿と、3のつく数字のお皿を持ってくるときにはアホになり、5の倍数のお皿を持ってくるときには犬になるとか(笑) 

投稿: 川口葉子 | 2008年6月18日 (水) 23時16分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/219376/41553945

この記事へのトラックバック一覧です: Quintessence(レストラン カンテサンス)@白金:

« 青空 | トップページ | 茶人に会う »