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2008年5月17日 (土)

老婆心はたいてい裏目に

東京カフェマニアの「カフェのニュース」のコーナーには、さまざまなカフェから情報掲載のご依頼をいただきます。まれに、そのまま掲載しても応募者が来ないかもしれないと心配になる文章が送られてくることがあります。

たとえば、新しくオープンするカフェの人材募集の文章。お店の具体的なすがたには触れず、応募資格のところに「カッコいい生き方をしている人」と書かれています。
そのメールを読んでさんざん悩んだあげくに、老婆心のほうが勝って、「これではお店のことがよくわからないし、中にはあまり好意的なイメージを持たない人もいるかもしれないので、念のため書き直していただけませんか」と返信すると、いつも必ずそこでやりとりが終わってしまうのでした。

やはり主観的にすぎる老婆心、大きなお世話なのでしょうか。相手はわけのわからない意地悪をされたととらえているかもしれません。私は自覚的な意地悪や中傷は決してしない…というか、できないエゴイストなのですけれど。ひとは自分が発したものを世界から与えられるのだと、自分をふりかえっても周囲の人々を見まわしても実感してしまうから。

そのようなわけで、“少し書き直してみてねメール”が届いた方は、どうぞそこから悪意のようなものを汲みとろうとせず、「あ、そう?」程度に受け止めてご再考いただけましたらたいへん嬉しく思います。

あ、もしかしたら「カッコいい生き方をしている人」の応募多数で、そういうスタッフばかりが闊歩するカフェがオープンすることもあり得るのですけれど……私は勇気がなくてそのようなお店の扉を開けられそうもありません。

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99 喫茶と散歩の日々」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
初めてコメントします。
最近、葉子さんの本を読ませていただいているカフェ好き初心者ですが、葉子さんの紹介するカフェは、いつも物語があって行ってみたいという気持ちと、たとえ行けなくても文章で行った気持ちになって、心が温かくなります。
カフェは若い人達がオシャレにやっているイメージがありましたが、本など見て自分の考えが一変し、カフェ好きとなりました。
カフェが好きというより、そこでやっている人達がとても温かくて素敵でかっこいいなと思い、その人のスペースでほっこりしたいなー、という思いかもしれません
でもカフェにもいろいろとタイプがありますね。
わたしも自分の生き方がカッコイイと自分で思っている人達が店員さんの店があったらかなり入り難いぞと思ってしまうタイプです。
生意気ですが、いつのときも、葉子さんの思いがつながるカフェを紹介してもらえたらなと、思っています。
コメントなのに長くってすみません。

Keiko

投稿: Keiko | 2008年5月18日 (日) 20時09分

Keikoさん、はじめまして。コメントありがとうございます。私の書いた文章から、カフェへの思いを深めてくださったなんて、これ以上嬉しいことはありません。

お気づきかもしれませんが、好きなカフェについて書くときに、私は「おしゃれ」とか「格好いい」という言葉を使いません。そういう要素をカフェに求める人も、もちろんいていいのですが、私自身は重視していないので。

良い空間と時間を作り、おいしいコーヒーを淹れ、それを町の人々と共有したいという願いを抱いてお金にならない仕事に打ち込んでいる人の姿にこそ、心を動かされます。経済優先の価値観とは別のところで奮闘している作り手のことは応援したくなりますよね。
その「良い空間と時間」を具体的にどう考えるのだろう、というところに作り手の個性が出てくるのだと思っています。

これからもおたがいに、カフェのある日常生活が楽しめますように。ありがとうございました。

投稿: 川口葉子 | 2008年5月19日 (月) 06時15分

「カッコいい生き方をしている人」カフェ、いいですね〜。
「野菜はそのままが美味しい」と言いながら絶対サラダにドレッシングを使わせない農家出身のウェイターとか(黒のゴム長+首から白タオル可)。座右の銘は「働かざる者食うべからず」、お客の少ない日はスタッフに賄いを作らない料理人とか。今日は日和が良いんで、と仕事を休んで釣りへ行くハマちゃんとか。あ、これは釣りバカでした。

先日、とあるカフェで禁煙席を希望したお客様があり、バイトさんが喫煙に1席しか空きがないので…と言葉を濁したところに、店長が「あなたがそこ(喫煙席)に座ればそこが禁煙席です。他の(喫煙席の)テーブルにいらっしゃる方も禁煙席をご希望でしたから」とおっしゃるの聞いた時には、素敵な対応だと思うと同時に思わず笑いました。ちなみに喫煙・禁煙席はかなり離れていて、完全分煙仕様です。

投稿: Miu | 2008年5月20日 (火) 11時13分

素敵なエピソードですね。よく思うのですが、喫煙席に対して、禁煙席の割合が少なすぎないでしょうか。どのお店も、禁煙席のほうが満席になって、吸わない人が吸う人の隣に座らされて泣いているのですもの。

飲食店での喫煙は、マナーの問題や、嗜好の問題、そして感情的な側面から語られることがほとんどですが、たばこが、喫煙者やその隣にいる人の健康をとりかえしのつかないほど損なっているということが、もっと真剣に告知されたほうがいいんじゃないのかなと思います。長年にわたって、たばこ販売で利益を得てきた団体などが、それをいやがるのでしょうけれど。

投稿: 川口葉子 | 2008年5月22日 (木) 06時48分

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