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2007年11月 7日 (水)

自家焙煎珈琲.凡(ぼん)…新宿

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自家焙煎珈琲.凡(じかばいせんコーヒーぼん)
東京都新宿区新宿3-23-1
【Tel】 03-3341-0791
【Open】 12:30~23:50
【Map】 Yahoo!地図情報
【Web】 http://www.cafebon.co.jp/

新宿駅東口から徒歩1~2分圏内で一息入れられる場所といったら、昔ながらの「凡」。2代目が引き継いでいらしゃる琥珀色の喫茶店は、もっぱらコーヒー1杯1000円という価格が話題になってきましたが、ポットで2杯分サーヴされますから1杯あたり500円。至極真っ当なお値段ではないでしょうか。(ただし、私は濃い状態で飲みたいので、料金同じ、量は半分の「カップ出し」をオーダーしております)

凡に続く階段を降りたのは本当に久しぶりのこと。入口で小さなコーヒー焙煎機と博物館モノの可愛いMacintoshが迎えてくれました。このMacはキャッシュレジスターの役割を果たしており「電脳麗滋(でんのうれじ)」と名づけられています。電脳、という言葉にも時代を感じますよね。

Bon_03 一見、昔からちっとも変わらないように感じられる老舗喫茶店も、細部ではたくさんの進化を遂げていました。たとえば、コーヒーに添えられるミルクピッチャーが2種類、というアイディア。植物性の偽物ミルクと、動物性の本物ミルク、ご自分で味を較べてみて下さいという提案です。

コーヒーチェーンなどでおなじみの小さいプラスティック容器入りのコーヒーフレッシュは、ミルクなど1滴も入っていなくて、水と油と添加物だけで合成されているのですよね。まれにですが、オーガニック素材のお料理にこだわっているカフェで、このコーヒーフレッシュに出会ってしまうと、心底がっかりさせられるもの。

いつもコーヒーにはミルクも砂糖も入れないのですが、凡のカウンターに「こちらが植物性、こちらが動物性です」と2種類のミルクピッチャーが並べられたのが興味深く、スプーンにほんの少したらして味見をしてみました。味の差は歴然。植物性の偽物ミルクは、マーガリンに通じる人工的な甘さが気になります。
まあ、お店がいくら提案しても受け止め方は人それぞれで、添加物を気にしない人もいれば、そもそもお店に何か提案されるのが嫌いな人もいるでしょうけれど、こういう試みは地道にひっそりと続けていただきたいものです。

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凡の名物といえば1000客に及ぶコーヒーカップのコレクション。マイセン、ジノリ、ロイヤルウースター、有田焼、それから有田三右衛門のひとつ源右衛門窯とティファニーのコラボレーションによる「ティファニー源」のカップも飾られています。

カウンターに座れば好きなカップを指定できるのですが、マスターが忙しそうな時にお願いするのも申し訳ない、および、どんなカップが来るかおまかせにしておいたほうが楽しい、という2つの理由から何も言わずにおりましたところ、禁煙のカウンター席に並んだ私と連れのもとにはウェッジウッドのカップが種類を変えて2客、差し出されました。

なぜ、このカップが私たちに? いつもの疑問が浮かび、カウンターの他のお客さまを眺めますと、女性客二人連れのもとには可愛いレース模様のカップが色違いで、その隣のカップルには無地のカップがやはり色違いで出されているようです。なるほど、グループごとにブランドを揃えている、という法則はわかりました。

思いきってマスターに尋ねてみますと、「お客さまのしぐさや服装に合わせてお出しすることもたまにありますが、それもなかなか難しいですね。心がけているのは、同じカップを2度出さないようにすること」だそう。つまり、お客さまの顔を覚えていて、毎回違うカップをお出しするのだそうです。人の顔や名前が全然覚えられない私などには無理な芸当。

そして、もうひとつの法則は「今、お二人にお出ししているカップは、テーブル席にお出しするカップより1ランク上のものです」。
テーブル席まで運んでいかねばならないカップは動線が長く、そのぶん割るリスクも大きくなるので、お店にとって大切なカップは出しにくい、とのこと。そして、常連度が高くなるほど、おもてなしのカップも貴重な1碗になっていくようです。なるほど、訊ねてみるものですね。

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この日いただいたのはカップ出しのモカ(1050円)と手作りのコーヒーシフォン(420円)、連れは通常のポットサービスのブレンド(1050円)。個人的に好みの味のコーヒーというわけではありませんが、焙煎したての新鮮な豆を使うというお店の姿勢には心から共感します。いつ焙煎されたのかわからない古いコーヒーを飲むと、味がいただけないのはもちろんのこと、酸化しているせいでうっすらと気分が悪くなってしまうのです。

不意に店内に漂い始めたのは、キャラメルを焦がす香ばしい匂い。凡では懐かしい味のキャラメルも手作りしているのです(420円)。いつか、メニューにある「コーヒーのフルコース(3100円)」にチャレンジしてみたいもの。これは小ぶりのカップに注がれた4~5種類のコーヒーと、スイーツ2種類をひとりで堪能できるという、まさにフルコース!

そして、もうひとつの凡のみどころ。それは英国スパイ映画の隠し小部屋を連想させる洗面所の扉……。

※さらなる東京のカフェ情報は、電車の沿線別にまとめた東京カフェ案内をご覧ください。

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コメント

唐突で不躾なコメントをお許し下さい。
新宿の珈琲店、凡さんの詳しい情報を楽しませて戴きまして、誠に有難うございました。

若い頃から、源右衛門窯のやきものに魅了されっぱなしの私は、一度は凡さんを訪ねて、名窯の染付け(唐草獅子絵や章魚唐草紋)C/Sで美味しい珈琲を戴きたいと思っていました。しかし、生来出不精なうえに、留守番が出来ない愛犬を飼育しているため、実現がおぼつかない状態です。

今回、貴記事を拝読させて戴き、凡さんの素晴らしさを再認識させて戴きました。なんとか都合をつけて訪れたいと、強い願望に駆られています。

投稿: マリーの父さん | 2007年11月22日 (木) 09時14分

マリーの父さん様、コメントありがとうございます。
サイトを拝見し、源右衛門窯のコレクションの見事さに圧倒されました!

珈琲店との邂逅も、おそらくは、うつわとの邂逅と同じように、思わぬ時にひょんなきっかけから叶うものと存じます。拙文が「凡」との邂逅実現のきっかけのひとつになれましたら、たいへん光栄に思います。

投稿: 川口葉子 | 2007年11月22日 (木) 21時32分

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