04 銀座・丸の内のカフェ

2009年6月20日 (土)

JTENTEN(銀座)で共感覚の話、ソナタ形式のコーヒー

この春、銀座6丁目にオープンした珈琲店『時・・』(じてんてん)に取材におじゃました折に、マスターやスタッフの方々と「共感覚」についての話をして、人それぞれの感覚の違いを楽しみました。

共感覚とは、たとえば音を聞くと色が見えたり、香りをかぐとかたちが見えたりして、ひとつの刺激に2つの感覚が伴うこと。大なり小なり、共感覚を持つ人は決して少なくないようです。

私の場合は音、文字、香り、味など、かなりの感覚が色彩を伴うことがあります。脳が勝手に変換するらしく、数字の2はいつもバナナ色、3は必ずストロベリーピンクに見えるのです。(なぜ、食べもの…?)  

色彩の共感覚を持つ人どうしのあいだで、具体的なあるものを何色に変換するかについては全く共通点がなく、3が黒に見える人も、青に見える人もいるのが面白いところ。
某幼児音楽教室では、最初から音と色の固定された対応を子どもたちに教えていて、それについては批判があるという話をマスターからうかがいましたが、同感です。私にはドの音が茶色と空色のマーブル状に混じった色に見えますから、先生から

「ドの音は緑色だと覚えましょう」

と教えられたら、混乱してしまうに違いありません。

興奮したのは、「時・・」のマスター岩崎さんがコーヒーの味や香りを立体的なかたちとしてとらえていたこと。思いつきを書き留めるというノートには、たとえばマンデリンのロースとしての味と香り、その翌日の味と香りなどが、図形で記録されていました! 岩崎さんの場合はかたちの共感覚が強いようです。

「時・・」で働くスタッフは、岩崎さん以下、プロの音楽家として活躍している人々なので、このかたちをさらに進めて、コーヒーの味と香りを音楽形式で組み立てられるかもしれません。たとえばソナタ形式で表現するコーヒーとか。

【ソナタ形式のコーヒー表現】
 序奏:鼻を近づけたときの香り
 提示部:ひとくち目の味(第一主題=苦み、第二主題=酸味)
 展開部:コーヒーの温度が下がってきたときに姿を現す風味
 再現部:飲み続けて、コーヒーの全体像が見えてきたときの印象
 コーダ:飲み終えたあとに舌に残る余韻

一杯のコーヒーは、一曲のソナタ。たとえば「ヤナーチェクのピアノソナタのように不吉な予感に満ちたコーヒー」と表現することもできるかもしれません。
(ここでヤナーチェクが出てくるのは、もちろん、村上春樹『1Q84』を読み終えたところだから)

銀六珈琲『時・・』(じてんてん)
東京都中央区銀座6-12-15 COI ビル2階
【TEL】 03-3572-5033
【OPEN】 11:00~20:00頃

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2007年10月28日 (日)

ティサネリア銀座…銀座

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サンタ・マリア・ノヴェッラでチケットをいただいて訪れたのが、同じコマツビル3階に造られたティーサロン「ティサネリア」。イタリアのマダム的優雅さに微量の中世薬局的エッセンスをちりばめたたたずまい。
2週間後にも再度お茶を飲みに訪れたのですが、初回の平日の14時頃も2回目の土曜日の夕方も、店内はほどよく静かな別世界でした。マダム系カフェに抵抗のない人にならおすすめの、銀座の穴場と言えそうです。第一、コマツビルそのものがいつも非常に人工密度の少ない空間なのですよね。1階入口エノテカのバールをのぞいては。

メニューは多彩なハーブティー(1050円~)とスイーツ各種(1050円~)。ハーブは有機栽培、もしくは野生のハーブだけを選んだ高品質なものだそう。席につくと、まずスタッフがお水と、白い小皿に入れた乾燥ハーブを持ってきて、丁重に説明してくれます。(私がお目にかかった女性2名、男性1名のスタッフのうち、男性スタッフが最もていねいに、略さず説明してくれました)
「こちらのお水はレモンバーベナ入りでございます。こちら、本日のハーブティーブレンド。本日はローズ、カモミールを中心にしたリラックスのためのブレンドです」

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メニューの随所にちりばめられたイタリア語の跳ねるような語感も楽しめます。たとえばハーブティーの地中海ミックス「マッキア」(新陳代謝を高めるブレンド)。緑茶+カモミールは「ラ・ヴェルデ・カモミッラ」。声に出して読むと、ジローラモ氏の顔と激しい身ぶり手ぶりが浮かんできてちょっと困ります。

この日選んでみたのは、血液浄化に良いというブレンド「ティサーナA13」。チコリやゴボウを抽出した、癖のある土くさい香り。「人によっては苦手に感じるかもしれません」とのことでしたが、私は決して嫌いではありません。湿った土の匂いのするワインも好きですし。
ティーカップは麦飯石(ばくはんせき)で作られているそうで、スタッフに言われた通り、カップに注いでからスプーンでぐるぐるかき回しますと、土くささが少しやわらいでマイルドな味に。

お茶うけとして、小さなスプーンに1杯だけのはちみつも運ばれてきました。ハーブティーに溶かすのではなく、そのままいただきます。この日はレモンの花のはちみつ。

2回目に訪れたときは、ハーブティーの他に和栗のモンブラン(1260円・中にカシスの小さなジュレが隠れていました)も注文したせいでしょうか、おまけの小皿もたくさんサーヴィスしていただきました。レモンのはちみつ、マロンのはちみつ、それから、砂糖を全く使わず、米こうじとシロップで漬けたという無花果(イチジク)のコンポートをティースプーンに1杯分。

お店の持つ世界観がくっきりと伝わってくる小宇宙。ティサネリアの世界観とはすなわち、医食同源、ハーブは心身を癒すもの、という考え方です。スタッフに訊ねたところ、ティサーナはイタリア語でハーブのこと、ティサネリアは「ハーブを消費する場所」という意味なのだそう。

お店の棚には販売用のハーブティーやはちみつ、ワインやリキュールがずらりと並んでいますが、小さな札に書かれた説明を読むと、ほんとうにすべてが「健康のための薬」と捉えられているのがわかります。リキュールだって「養命酒」。そんななか、一人用のハーブティーを淹れるための白いティーカップとキャンドルウォーマーの可愛いセットに目がとまりました。名称は「ティサニエラ」(10500円)。

※サンタ・マリア・ノヴェッラの医食同源思想をもとにしたトスカーナ料理レストラン「ジャッジョーロ銀座」もオープン。言いにくいですってば。

Tisaneria(ティサネリア)銀座
東京都中央区銀座6-9-5 ギンザ・コマツビル5F
【TEL】 03-3572-4604
【OPEN】 11:00~20:00
【WEB】 http://www.tisaneria.jp/
【MAP】 Yahoo!地図情報

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2007年10月19日 (金)

炭火焙煎珈琲.凛(リン)Cafe Rin…銀座

Rin

日本が洗練させてきた喫茶店スタイルの典型

2度ほど、午後のお茶の時間に訪れた凛(Cafe Rin)。場所は銀座4丁目交差点に建つ山野楽器ビルの裏手、映画館シネスイッチ銀座の隣り。
Cafe Rinでは、日本が独自に発達・洗練させてきた【喫茶店】もしくは【珈琲店】というスタイルの、21世紀初頭型の典型を見ることができます。ビル入口の木の階段をのぼっていくというエントランスが、まずその特徴のひとつ。広めの店内はシンプルで落ち着いた木のインテリアで、長いカウンター席と、テーブル席、個室。この構成も、ある種の喫茶店の特徴のひとつですよね。

そして、カウンターの後にずらりとならぶヨーロッパブランド系のコーヒーカップ。ひとつひとつ種類が違うので、このスタイルの喫茶店では毎度「どうして私にこのカップが来たのかしら?」と、微妙に困惑することになります。とくに、さほど自分の好みではないカップをさしだされた場合は。お店のスタッフは単にカップが並んでいる順番に取りだしているだけでしょうけれど。

看板に「自家焙煎」と掲げてあっても、じつは自家焙煎をしていない喫茶店も少なくないのですが、凛ではちゃんと自家焙煎がおこなわれているそう。この日いただいたのは苦味系のマンデリン(700円)。カウンターに立つ20代の若いマスターが、注文ごとにカリタ式で一杯ずつハンドドリップしています。この男性の静かながらてきぱきした作業はみごとで、アルバイトの女性スタッフに出す指示も的確。頭の回転が速くないと、こういうお仕事はつとまらないようです。

ドリンクはほかにブレンド系(600円)、ストレートコーヒー系(700円)、紅茶各種(600円~)、ジュース各種(700円~)、そして20世紀喫茶店にはなかった、豆乳を用いた抹茶ソイラテ(700円)など。自家製ケーキは500円から、飲みものとセットで1000円とリーズナブルです。

2度とも店内は落ちついた休憩場所を求める中高年中心のお客さまでほぼ満席。着飾って談笑する50代のご婦人たち、背広姿で煙草をくゆらす初老の男性、それからひとりで訪れた若い女性客などでにぎわっていました。個人的には、分煙にしていただけるとありがたいのですが。

炭火焙煎珈琲.凛(リン)/Cafe Rin(カフェリン)
東京都中央区銀座4-4-5 銀座ハタビル2F
【Tel】 03-5250-4677
【Open】 11:30~23:00、無休
【Map】 Yahoo!地図情報
【Web】 http://www.coffee-rin.jp/

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2007年10月17日 (水)

TULLY'S COFFEE(タリーズコーヒー)…銀座

Mitsubachi銀座、紙パルプ会館の屋上に立ち、素手で(!)ミツバチの世話をしているのは、紙パルプ会館取締役の田中淳夫さん。
馴れた手つきでハチの巣のかけらを集めるこのかたが、1年半ほど前まではミツバチに関しては何の知識もない、ただのしろうとだったとはとうてい信じられません。

屋上の本の取材にあたり、NPO「銀座ミツバチプロジェクト」の代表として、田中さんとアグリクエイリトの高安さんに大変親切にご協力をいただきました。

田中さんが持っている木枠にびっしり群がっているのは、在来種の日本ミツバチ。黄色と黒の派手な縞を持つ西洋ミツバチにくらべ、模様は黒っぽくて地味、性格は優しくおとなしいそうですが、ちょっと虫が苦手な私は気絶しそうになりました。写真もこわごわズームで撮影しております。

しかし、ここにもまた人と人、人とミツバチとの、胸を打つストーリーがありました。「ウェグナーに座ろう」のときもそうでしたが、人を楽しませたい、がんばっている人を応援したい、町のために、などという“何かをプレゼントする”気持ちと、自分自身の楽しみとが無理なく合わさった挑戦からは、多くの人の心を動かすものが生まれるようです。

銀座のミツバチがソメイヨシノの花から集めたはちみつを、ティースプーンに半分ほど味見させていただきました。これは1匹のミツバチが一生のあいだに集める蜜の量と同じです。ソメイヨシノのはちみつは、口にふくんだとたんに鼻腔いっぱいに拡散する、強烈に華やかな香りをもっていました。まったく加熱しないからこその鮮烈な香りです。

銀座で採れた貴重なはちみつは、銀座で味わってほしい……そんな想いにこたえたのが、銀座の名店たち。都会で自然との共生を模索する試みに賛同し、季節限定の少量生産ではあるけれど、銀座文明堂、ミクニギンザ、アンリ・シャルパンティエ銀座店などが銀座はちみつを使ったスイーツを商品化してくれました。

そんな中の1軒が、TULLY'S銀座店。タリーズコーヒーの1号店は銀座にあったんですよね。タリーズは2007年6月の1ヶ月間、銀座店限定で、ミツバチプロジェクトのはちみつを使った「銀座ハニーミルクラテ」を販売したそう。素敵じゃありませんか!

ミツバチたちが飛ぶのは半径3~4km。エルメス銀座店の屋上に咲くミカンの花から集めた「エルメスハニー」や、皇居に咲く花々から集めた「ロイヤルハニー」も、銀座産はちみつの中に混じっているのです。来年初夏、再び銀座産はちみつにお目にかかれるのが楽しみです。

※タリーズ1号店は2007年8月に、三越百貨店周辺の再開発のため閉店。有楽町ITOCiA+有楽町マルイの誕生に始まった銀座界隈の再開発ラッシュは、今後もしばらく続くようです。ITOCiAとマルイに相対する一角、名店ももやのあった場所はかろうじて残されていますが、ももやはパチンコ屋さんにとってかわられていました(涙)

TULLY'S COFFEE(タリーズコーヒー)
銀座六丁目昭和通り店
東京都中央区銀座6-14-5
【Map】 Yahoo!地図情報
【Web】 http://www.tullys.co.jp/

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2007年10月11日 (木)

有楽町ITOCiA + 有楽町マルイ

Donuts

先日、銀座の人の流れを変える(はず)と言われる有楽町ITOCiA(イトシア)+有楽町マルイの内覧会をのぞいてまいりました。マルイはおなじみの赤いロゴをモノトーンに変えるなど銀座仕様。そしてBGMに「音楽心理学」を取り入れるという新しい試みもおこなわれるそう。フロアや時間帯ごとのお客さまのムードにあわせてBGMをセレクトする……って、カフェならどのお店もそうしていますよね。

ITOCiA地階のクリスピー・クリーム・ドーナツには、ちょっとした行列ができていました。各プレスの人々が自分のお持ち帰り用にと購入していたから。思わず私も5分ばかり並んでしまいました。有楽町店先行発売のピターオレンジの入ったチョコレートと、パンプキン。12日の正式オープンには新宿店のような行列ができるでしょうか。

この日もっともびっくりしたのは、銀座4丁目交差点の真昼の珍事。和光~三越の前で晴海通りを封鎖して、さる方面の方々の車輌数台と警官隊とがにらみあい。

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2007年9月22日 (土)

HENRY GOOD SEVEN(ヘンリー・グッド・セブン)…新丸ビル

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新丸ビルの2軒

新丸ビル7階の角に作られたカフェ「HENRY GOOD SEVEN」は、山本宇一プロデュース、片山正通デザイン。赤白のタイル張りの床、色とりどりのクッション、段差を設けたコーナーの演出、高い天井。ほかでは見られない個性あふれる作り。

本日の私たち2人のメインイベントは、沖縄・那覇にある老舗「うりずん」が新丸ビル5階に出した支店での夕食でした。その前にHENRY GOOD SEVENに立ち寄り、本を読みながら軽く休憩。三連休の午後3時、新丸ビルじたいが案じていたほどは混雑せず快適です。

カフェでいただいたのはグラスワイン(カベルネ・ソーヴィニヨン/850円)、ジントニック(600円)、タラバ蟹のカッペリーニ(1100円・コーヒー付き)、食後にゴルゴンゾーラのチーズケーキ(600円)。ワインの種類が豊富で、ドリンクメニューとは別に簡単なワインリストがあります。

3時にHENRY GOOD SEVENのウォーミングアップで胃をあたためたあと、5時からうりずんで豪飲豪食できる私たち。あいかわらず見事なエンゲル係数です…。

肝心のうりずんのほうは、新丸ビルの中に入ってしまうと、小さな「?」の連続でした。うりずんは安里のあの古い民家の空気の中で、大きな泡盛古酒の甕の横にぎゅうぎゅう詰めになって飲食するからおいしいんですね。お店の若い人たちがみな感じが良かっただけに、ちょっと残念。品切れの多さにもびっくりです。油味噌もニガナも「今日は品切れです」と言われてしまい残念がっていたら、台風続きで沖縄から発送できないんですと、若い衆が本当にすまなそうな顔をして説明してくれました。

それにしても、新丸ビルの設計の重要なコンセプトは「廊下」ですよね。エスカレーターまわりや通路など、通常はただの通り道にすぎないスペースに各飲食店のテーブルと椅子を置いて、店内のようでもあり通路のようでもある状態をつくりだしていて面白いのです。どうしたってベンヤミンのパサージュを想起します。

HENRY GOOD SEVEN(ヘンリー・グッド・セブン)
東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング7F
【OPEN】11:00~23:00(LO 22:30)
【Web】http://www.heads-west.com
【Map】Yahoo!地図情報


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