04 銀座・丸の内のカフェ

2016年5月24日 (火)

かつて有楽町にあった喫茶店「ももや」の小さな復活

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「ももや」は有楽町の小さなビルの2階に1949年に創業し、2007年5月まで58年間にわたって営業を続けた喫茶店。そのももやが形を変えて、Web上で復活します。

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東京カフェマニア上でも2000年当時のももやについて書いておりました。

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2001年発売の書籍『東京カフェマニア』には、BBS(懐かしい響きです)上でやりとりされたももやについての会話を収録。

また、書籍『コーヒータイムブック』では、映画『珈琲時光』に登場する喫茶店としてももやをご紹介しています。


 

このたび、創業者の孫にあたる加藤紘輝さんからメールをいただき、ももやがWeb上でコーヒー関連ギフト専門の通販サイト『MOMOYA 』として営業再開することを知りました。

以下はそのプレスリリースの一部です。

 * * *

「ももや珈琲 銀座店」は、昭和24年(1949年)に創業した個人経営の喫茶店です。
創業者である私の祖父は、戦後の動乱の中で菓子の詰め売りを行い、そこで集めたわずかな資金を元手に「ももや珈琲店」を開業しました。

個人経営のいわゆる「昔ながらの小さな喫茶店」でしたが、有楽町周辺で働かれている方々に愛されながら、銀座裏の隠れ家として営業していました。その頃は、大手チェーン店ではない地域に根差したユニークな喫茶店が、日本各地に存在していた時代です。

しかしながら、日本の経済成長・インターネット普及といった時代の流れに伴い、多くの個人経営の喫茶店が廃業を余儀なくされました。
50年以上営業を続けていた「ももや珈琲店」も、その例外ではありません。

銀座・有楽町周辺の再開発に伴い、2007年5月に有楽町マリオン裏での営業を終了致しました。
閉店より 10 年の月日が流れた今、祖父の強い思いが詰まった「ももや珈琲店」を復活させたいと考え、現在活動しております」

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この機会に加藤さんとメールでやりとりさせていただき、ももやについて知りたいと思っていた事柄をいくつか、2代目をつとめたお父さまに確認していただきました。

 

まずは店名の「ももや」の由来のこと。

「祖父が喫茶店を始める際に、神田の易で占ってもらって名付けました。
いくつかある候補の中から、祖父がももやを選んだそうです。
『百々屋』と書いてももやと読み、百代まで長く続くように、という意味が込められています」


次に、創業時から閉店の数年前まで、50年以上にわたりマスターとしてカウンターに立っていた松山さんについて。

「松山タロウ(通称タロウさん)という男性は、ももや珈琲の現場責任者としてマスターをしておりました。戦後間もない、ももや創業当時から祖父と一緒に働いていたそうです。

詳細はわからないのですが、祖父は何らかのツテでタロウさんをスカウトしてきて、ももや珈琲店を始めたようです。

タロウさんは以前からコーヒーに関わる仕事をされており、生豆の仕入れから焙煎まで全て行っていました。『ももや珈琲オリジナルブレンド』の生みの親です。

2004年前後に体調を崩したために引退され、今から10年ほど前に他界されました。祖父の他界とほぼ同年とのことです」

 
そして、加藤さんご自身が記憶するももやの風景。

中学生の時に閉店したため、あまり鮮明な記憶はないそうですが――

「小学校の頃に、亡くなった母に連れられて何度かももやに行っておりました。
時代に取り残されたかのような喫茶店で、子供ながらにレトロで味のある店だな、と思っておりました。

当時はコーヒーが飲めなかったので、父に作ってもらったメロンソーダフロートをランドセルを背負ったままカウンターで飲んでいた事を記憶しています。

『東京カフェマニア』にご掲載いただいている通り、カウンター横の暖簾をくぐった所に、屋根 裏部屋へとつながる梯子階段がありました。

屋根裏は、仕切りもなく広々とした事務所兼休憩室となっていました。
お店が混んでいる時は、屋根裏へと上がって学校の宿題をしたり、2才下の弟と遊んでうるさくして父に怒られた事もありました。

1階の入り口も目立たず、2階に上がる階段もかなり急でしたので、当時の私と弟にとっては文字通り、秘密基地のような場所でした」

 * * *

このページを読んでくださった方々の中に、ももやの記憶をお持ちの方はどれくらいいらっしゃるのでしょう。

時のはざまに消滅した小さな喫茶店の実物は二度と蘇ってはこないけれど、その記憶のかけらを保持する人どうしが言葉を交わし合い、往時の光景をありありと思い描くことで、交差する想念の線上に亡き喫茶店の姿が浮かび上がってくるように思われるのです。

Web上に復活する新しいMOMOYAは、これからどんな記憶をプレゼントしてくれるでしょうか。

   

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2016年3月 3日 (木)

ザ・カフェ by アマンの新カジュアルフレンチ

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「原稿の締切直前の数日間は、自分を追い込むためにホテルにこもるんです」
という作家の方にお会いしたことがある。

清潔に整えられた部屋で、雑事でいっぱいの日常から隔絶されて
目の前の原稿用紙だけに没入するのだと。
(そのかたはPCを使わず、原稿用紙に手書きで文章を書いておられた)

アマンリゾーツ初の都市型ホテルとして誕生したアマン東京は
締切直前の作家にも最高の場所なのではないかと思う。

豊かな緑に包まれた建物の1階には、2015年6月にアマンの世界初となるカフェ
ザ・カフェ by アマン」がオープンして好評を博している。


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そのカフェが2016年3月1日からメニューを刷新した。
伝統的なビストロ料理を含むアラカルト料理が増えて、
洗練されたくつろぎの空間でカジュアルなフレンチを楽しめる場所へと進化した。

新登場のディナーコースは、前菜、ガレット、メインデュッシュ、デザートの4品を
それぞれ選べるプリフィクススタイル。
(食後のコーヒーや紅茶が付いて4500円)
常に旬の食材が味わえるようメニューは2か月ごとに更新されるとのこと。

3月末までの早春のアラカルトメニューをご報告。


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前菜にいただいたのは「帆立のソテー、マリネ野菜とアスパラガスのクリーム」。


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次に「フォアグラソテー クロッカンとブリオッシュを一緒に」。
こちらは小さなふっくらしたフレンチトーストの上に
フォアグラがのっている、とイメージしていただければわかりやすい。
クロッカンのカリカリした食感と香ばしさもいい。


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「豚バラのオーブン焼き ディアボラソース マッシュポテトを添えて」。
柔らかで旨みのある豚肉に、
ジゴンダス(コート・デュ・ローヌの赤ワイン)がよく合う。


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デザートは「ストロベリークレープ ピスタチオのクリームを一緒に」。
食後にはエスプレッソのダブルをお願いした。

もう少し暖かくなると、キャンドルの揺れるテラスで緑に包まれて、
というアマンならではのディナーも楽しめるようになる。

こういうテラスで親しい人と飲んだり食べたりしていると、
東京の春の夜の空気が、時として嘘のように甘くなることを知っている人も
きっとたくさんいると思う。


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2012年3月16日 (金)

ローズベーカリー銀座、3月16日グランドオープン

3月16日(金)、銀座コマツビル西館7階にローズベーカリーの銀座店がグランドオープンします。1階から6階まではドーバーストリートマーケット・ギンザ・コムデギャルソン。前日の夕方からおこなわれた内覧会におじゃましました。

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ローズベーカリーとして初めてのティールーム。シンプルでモダン、清潔感あふれるインテリアです。

個人的にも期待がふくらむのは「ハイティー」。お好きなドリンクつきで2800円。今回のために特別にデザインされた木製の脚つきトレイの上に、こんなに!と目をみはるほど種類豊富なミニサンドイッチ、ミニキッシュ、ミニスコーン、フルーツサラダ、ペストリー各種が並んでいました。

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オーナーの ローズ・カラローニさんとご主人も来日。 まったく気取らない雰囲気の素敵な女性でした。

小さな裏庭の友、清水美穂子さんご夫妻ももちろんお見えになっていて、また裏庭で遊びましょうねと話したり。

土日祝の朝9時から11時まではフルイングリッシュ・ブレックファスト(1800円)も楽しめるそうです。注文を受けてからつくるフレッシュジュース、ホームメイドのグラノーラ、お好みの卵料理とパン、お好みのドリンクのセット。

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一度ぜひ試してみたいのが、写真下のウィークエンドメニュー「ケジュリー」(1400円)。インド料理を英国風にアレンジしたもので、薫製のタラとバスマティ米をカレー風味に仕上げてあるのだそうです。

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ローズベーカリー銀座
東京都中央区銀座6-9-5 ギンザコマツ西館7階
OPEN 11:00~21:00、土日祝9:00~21:00

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2012年2月28日 (火)

Daichi & keats ([iiyo!!] 丸の内)

3月2日、丸ビル・新丸ビルが並ぶ大通りの一角に建つ「丸の内永楽ビルディング」の1階・2階・地下1階がリニュールし、「iiyo!!(イーヨ)」としてオープンします。

地下1階には「大地を守る会」と「keats」のコラボレーションによる農園カフェ&バル「Daichi & keats」が誕生。内覧会におうかがいしましたので、3月のAll About カフェの記事でご紹介します。

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私のお隣の席には、フリーアナウンサー&ジャーナリストとしてご活躍中のエレガントで落ち着いた女性がいらっしゃいました。

イーヨ…と聞くと自動的に大江健三郎の『新しい人よ目ざめよ』を思いだしてしまう私の頭の中は、丸の内イーヨの登場によって、不思議なイメージが氾濫することになりました。

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2011年10月14日 (金)

Fruit Gathering(フルーツ・ギャザリング)…阪急MEN'S TOKYO(有楽町)

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10月15日(土)にオープンする阪急MEN'S TOKYOのプレス内覧会をのぞいてまいりました。館内にカフェは3つ。B1Fの「モノクルカフェ」と6Fの「ブルックリン・ロースティング・カンパニー」については近日中にAll About Cafeでご紹介しますので、ここでは8階の「フルーツ・ギャザリング」を。

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フルーツ・ギャザリングはニューヨークで1838年に創業された老舗アメリカン・アポセカリー(調剤薬局)のコスメ「C.O.Bigelow(シー・オー・ビゲロウ)」を中心に扱うセレクトショップ。日本初上陸です。

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ビゲロウを代表する商品は、天然レモンが香るボディケアライン「レモンコレクション」。発売当時から140年間変わらないロングセラーなのだそうです。

ショップに併設されたカフェも、フルーツを使ったシェイクが魅力(各530円)。濃厚なバニラアイスにフルーツシロップを加えた、ショッピング疲れを爽やかに吹きとばしてくれるドリンクです。

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シェイクの注文方法は:
(1)3種類のシェイク(バナナ、パッションフルーツ、ストロベリー)からひとつ選ぶ。
(2)フルーツのトッピング(季節ごとに4~5種類。この日はマンゴー、アプリコット、ストロベリーなど)からひとつ選ぶ。

私はパッションフルーツにマンゴーを加えて、ハワイアンなシェイクを楽しみました。

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それにしてもみごとなこのシャンデリアは、ベニス名物ムラーノ・グラスの果実がたわわに実っているのです。

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【MENU】
ホットドッグ各種 …480円(ソーセージ3種とトッピング3種が選べます)
ニューヨークチーズケーキ …420円
チーズケーキとコーヒーor紅茶のセット …780円
チーズケーキとシェイクのセット …900円
ビール(ブルックリンラガー etc.) …各630円

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2011年9月10日 (土)

DAVID MAYER CAFE(デイビットマイヤーカフェ)…銀座三越

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「フェイマスデイビットバーガーとフレンチフライ、ガーリックマヨネーズ」(1,890円)
ジンジャーエール(525円)

文章関係を仕事にしている人間なら、きっと校正したくて赤ペンを探してしまうカフェなのです。

洗練された内装、分煙も完璧な店内に入ってメニューを開きますと、そこに綴られているバーガーの名前は「フェイマスデイビットバーガー」。説明文には「LAのベストバーガーに選ばれた、デイビットのLAのフレンチビストロ『コモサ』で人気のシグネチャーメニュー」。

…トの濁点は? 後日、銀座三越のWebサイトを確認して、思わずまばたきしました。
「ミシュラン一ツ星を獲得し、ベストレストランTOP10にも選ばれるなど、アメリカの料理界を華やかにリードするシェフ、デイビット・マイヤー氏のカフェ1号店です」

公式に、DAVID MYERS氏の読みがなはデイビット・マイヤーなんですね。そして、Sは発音しないのかしら?

つまらぬことで悩みながらいただいたバーガー。牛肉100%のパティはミディアムレアの焼き加減で、断面のところどころが美しいピンク色。お肉そのものの味が感じられるようパティ本体にはごてごてと味つけをしていなことに好感を抱きました。

小さな器に添えられていたフレンチフライのディップ。一瞬、バーガーにも加えるのかしらと迷って、これはなんでしょう?とスタッフに訊ねたところ、「ガーリックマヨネーズソースでございます。もし気になるようでしたら普通のマヨネーズソースに変えることもできます」と親切に答えてくれました。

あえて欲を言わせていただけば、オーダーを取るときに「肉の焼き加減を訊ねる」「ソースが変更可能であることを伝える」ひとことがあると嬉しいですね。
なんとなく全体的に校正したい気分でお店をあとにしましたが、空間やプレートの演出は洒落っ気が感じられて素敵でした。たとえばフレンチフライは、ソフトクリームスタンドに立てられていたのです。

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2009年6月20日 (土)

JTENTEN(銀座)で共感覚の話、ソナタ形式のコーヒー

この春、銀座6丁目にオープンした珈琲店『時・・』(じてんてん)に取材におじゃました折に、マスターやスタッフの方々と「共感覚」についての話をして、人それぞれの感覚の違いを楽しみました。

共感覚とは、たとえば音を聞くと色が見えたり、香りをかぐとかたちが見えたりして、ひとつの刺激に2つの感覚が伴うこと。大なり小なり、共感覚を持つ人は決して少なくないようです。

私の場合は音、文字、香り、味など、かなりの感覚が色彩を伴うことがあります。脳が勝手に変換するらしく、数字の2はいつもバナナ色、3は必ずストロベリーピンクに見えるのです。(なぜ、食べもの…?)  

色彩の共感覚を持つ人どうしのあいだで、具体的なあるものを何色に変換するかについては全く共通点がなく、3が黒に見える人も、青に見える人もいるのが面白いところ。
某幼児音楽教室では、最初から音と色の固定された対応を子どもたちに教えていて、それについては批判があるという話をマスターからうかがいましたが、同感です。私にはドの音が茶色と空色のマーブル状に混じった色に見えますから、先生から

「ドの音は緑色だと覚えましょう」

と教えられたら、混乱してしまうに違いありません。

興奮したのは、「時・・」のマスター岩崎さんがコーヒーの味や香りを立体的なかたちとしてとらえていたこと。思いつきを書き留めるというノートには、たとえばマンデリンのロースとしての味と香り、その翌日の味と香りなどが、図形で記録されていました! 岩崎さんの場合はかたちの共感覚が強いようです。

「時・・」で働くスタッフは、岩崎さん以下、プロの音楽家として活躍している人々なので、このかたちをさらに進めて、コーヒーの味と香りを音楽形式で組み立てられるかもしれません。たとえばソナタ形式で表現するコーヒーとか。

【ソナタ形式のコーヒー表現】
 序奏:鼻を近づけたときの香り
 提示部:ひとくち目の味(第一主題=苦み、第二主題=酸味)
 展開部:コーヒーの温度が下がってきたときに姿を現す風味
 再現部:飲み続けて、コーヒーの全体像が見えてきたときの印象
 コーダ:飲み終えたあとに舌に残る余韻

一杯のコーヒーは、一曲のソナタ。たとえば「ヤナーチェクのピアノソナタのように不吉な予感に満ちたコーヒー」と表現することもできるかもしれません。
(ここでヤナーチェクが出てくるのは、もちろん、村上春樹『1Q84』を読み終えたところだから)

銀六珈琲『時・・』(じてんてん)
東京都中央区銀座6-12-15 COI ビル2階
【TEL】 03-3572-5033
【OPEN】 11:00~20:00頃

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2007年10月28日 (日)

ティサネリア銀座…銀座

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サンタ・マリア・ノヴェッラでチケットをいただいて訪れたのが、同じコマツビル3階に造られたティーサロン「ティサネリア」。イタリアのマダム的優雅さに微量の中世薬局的エッセンスをちりばめたたたずまい。
2週間後にも再度お茶を飲みに訪れたのですが、初回の平日の14時頃も2回目の土曜日の夕方も、店内はほどよく静かな別世界でした。マダム系カフェに抵抗のない人にならおすすめの、銀座の穴場と言えそうです。第一、コマツビルそのものがいつも非常に人工密度の少ない空間なのですよね。1階入口エノテカのバールをのぞいては。

メニューは多彩なハーブティー(1050円~)とスイーツ各種(1050円~)。ハーブは有機栽培、もしくは野生のハーブだけを選んだ高品質なものだそう。席につくと、まずスタッフがお水と、白い小皿に入れた乾燥ハーブを持ってきて、丁重に説明してくれます。(私がお目にかかった女性2名、男性1名のスタッフのうち、男性スタッフが最もていねいに、略さず説明してくれました)
「こちらのお水はレモンバーベナ入りでございます。こちら、本日のハーブティーブレンド。本日はローズ、カモミールを中心にしたリラックスのためのブレンドです」

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メニューの随所にちりばめられたイタリア語の跳ねるような語感も楽しめます。たとえばハーブティーの地中海ミックス「マッキア」(新陳代謝を高めるブレンド)。緑茶+カモミールは「ラ・ヴェルデ・カモミッラ」。声に出して読むと、ジローラモ氏の顔と激しい身ぶり手ぶりが浮かんできてちょっと困ります。

この日選んでみたのは、血液浄化に良いというブレンド「ティサーナA13」。チコリやゴボウを抽出した、癖のある土くさい香り。「人によっては苦手に感じるかもしれません」とのことでしたが、私は決して嫌いではありません。湿った土の匂いのするワインも好きですし。
ティーカップは麦飯石(ばくはんせき)で作られているそうで、スタッフに言われた通り、カップに注いでからスプーンでぐるぐるかき回しますと、土くささが少しやわらいでマイルドな味に。

お茶うけとして、小さなスプーンに1杯だけのはちみつも運ばれてきました。ハーブティーに溶かすのではなく、そのままいただきます。この日はレモンの花のはちみつ。

2回目に訪れたときは、ハーブティーの他に和栗のモンブラン(1260円・中にカシスの小さなジュレが隠れていました)も注文したせいでしょうか、おまけの小皿もたくさんサーヴィスしていただきました。レモンのはちみつ、マロンのはちみつ、それから、砂糖を全く使わず、米こうじとシロップで漬けたという無花果(イチジク)のコンポートをティースプーンに1杯分。

お店の持つ世界観がくっきりと伝わってくる小宇宙。ティサネリアの世界観とはすなわち、医食同源、ハーブは心身を癒すもの、という考え方です。スタッフに訊ねたところ、ティサーナはイタリア語でハーブのこと、ティサネリアは「ハーブを消費する場所」という意味なのだそう。

お店の棚には販売用のハーブティーやはちみつ、ワインやリキュールがずらりと並んでいますが、小さな札に書かれた説明を読むと、ほんとうにすべてが「健康のための薬」と捉えられているのがわかります。リキュールだって「養命酒」。そんななか、一人用のハーブティーを淹れるための白いティーカップとキャンドルウォーマーの可愛いセットに目がとまりました。名称は「ティサニエラ」(10500円)。

※サンタ・マリア・ノヴェッラの医食同源思想をもとにしたトスカーナ料理レストラン「ジャッジョーロ銀座」もオープン。言いにくいですってば。

Tisaneria(ティサネリア)銀座
東京都中央区銀座6-9-5 ギンザ・コマツビル5F
【TEL】 03-3572-4604
【OPEN】 11:00~20:00
【WEB】 http://www.tisaneria.jp/
【MAP】 Yahoo!地図情報

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2007年10月19日 (金)

炭火焙煎珈琲.凛(リン)Cafe Rin…銀座

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日本が洗練させてきた喫茶店スタイルの典型

2度ほど、午後のお茶の時間に訪れた凛(Cafe Rin)。場所は銀座4丁目交差点に建つ山野楽器ビルの裏手、映画館シネスイッチ銀座の隣り。
Cafe Rinでは、日本が独自に発達・洗練させてきた【喫茶店】もしくは【珈琲店】というスタイルの、21世紀初頭型の典型を見ることができます。ビル入口の木の階段をのぼっていくというエントランスが、まずその特徴のひとつ。広めの店内はシンプルで落ち着いた木のインテリアで、長いカウンター席と、テーブル席、個室。この構成も、ある種の喫茶店の特徴のひとつですよね。

そして、カウンターの後にずらりとならぶヨーロッパブランド系のコーヒーカップ。ひとつひとつ種類が違うので、このスタイルの喫茶店では毎度「どうして私にこのカップが来たのかしら?」と、微妙に困惑することになります。とくに、さほど自分の好みではないカップをさしだされた場合は。お店のスタッフは単にカップが並んでいる順番に取りだしているだけでしょうけれど。

看板に「自家焙煎」と掲げてあっても、じつは自家焙煎をしていない喫茶店も少なくないのですが、凛ではちゃんと自家焙煎がおこなわれているそう。この日いただいたのは苦味系のマンデリン(700円)。カウンターに立つ20代の若いマスターが、注文ごとにカリタ式で一杯ずつハンドドリップしています。この男性の静かながらてきぱきした作業はみごとで、アルバイトの女性スタッフに出す指示も的確。頭の回転が速くないと、こういうお仕事はつとまらないようです。

ドリンクはほかにブレンド系(600円)、ストレートコーヒー系(700円)、紅茶各種(600円~)、ジュース各種(700円~)、そして20世紀喫茶店にはなかった、豆乳を用いた抹茶ソイラテ(700円)など。自家製ケーキは500円から、飲みものとセットで1000円とリーズナブルです。

2度とも店内は落ちついた休憩場所を求める中高年中心のお客さまでほぼ満席。着飾って談笑する50代のご婦人たち、背広姿で煙草をくゆらす初老の男性、それからひとりで訪れた若い女性客などでにぎわっていました。個人的には、分煙にしていただけるとありがたいのですが。

炭火焙煎珈琲.凛(リン)/Cafe Rin(カフェリン)
東京都中央区銀座4-4-5 銀座ハタビル2F
【Tel】 03-5250-4677
【Open】 11:30~23:00、無休
【Map】 Yahoo!地図情報
【Web】 http://www.coffee-rin.jp/

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2007年10月17日 (水)

TULLY'S COFFEE(タリーズコーヒー)…銀座

Mitsubachi銀座、紙パルプ会館の屋上に立ち、素手で(!)ミツバチの世話をしているのは、紙パルプ会館取締役の田中淳夫さん。
馴れた手つきでハチの巣のかけらを集めるこのかたが、1年半ほど前まではミツバチに関しては何の知識もない、ただのしろうとだったとはとうてい信じられません。

屋上の本の取材にあたり、NPO「銀座ミツバチプロジェクト」の代表として、田中さんとアグリクエイリトの高安さんに大変親切にご協力をいただきました。

田中さんが持っている木枠にびっしり群がっているのは、在来種の日本ミツバチ。黄色と黒の派手な縞を持つ西洋ミツバチにくらべ、模様は黒っぽくて地味、性格は優しくおとなしいそうですが、ちょっと虫が苦手な私は気絶しそうになりました。写真もこわごわズームで撮影しております。

しかし、ここにもまた人と人、人とミツバチとの、胸を打つストーリーがありました。「ウェグナーに座ろう」のときもそうでしたが、人を楽しませたい、がんばっている人を応援したい、町のために、などという“何かをプレゼントする”気持ちと、自分自身の楽しみとが無理なく合わさった挑戦からは、多くの人の心を動かすものが生まれるようです。

銀座のミツバチがソメイヨシノの花から集めたはちみつを、ティースプーンに半分ほど味見させていただきました。これは1匹のミツバチが一生のあいだに集める蜜の量と同じです。ソメイヨシノのはちみつは、口にふくんだとたんに鼻腔いっぱいに拡散する、強烈に華やかな香りをもっていました。まったく加熱しないからこその鮮烈な香りです。

銀座で採れた貴重なはちみつは、銀座で味わってほしい……そんな想いにこたえたのが、銀座の名店たち。都会で自然との共生を模索する試みに賛同し、季節限定の少量生産ではあるけれど、銀座文明堂、ミクニギンザ、アンリ・シャルパンティエ銀座店などが銀座はちみつを使ったスイーツを商品化してくれました。

そんな中の1軒が、TULLY'S銀座店。タリーズコーヒーの1号店は銀座にあったんですよね。タリーズは2007年6月の1ヶ月間、銀座店限定で、ミツバチプロジェクトのはちみつを使った「銀座ハニーミルクラテ」を販売したそう。素敵じゃありませんか!

ミツバチたちが飛ぶのは半径3~4km。エルメス銀座店の屋上に咲くミカンの花から集めた「エルメスハニー」や、皇居に咲く花々から集めた「ロイヤルハニー」も、銀座産はちみつの中に混じっているのです。来年初夏、再び銀座産はちみつにお目にかかれるのが楽しみです。

※タリーズ1号店は2007年8月に、三越百貨店周辺の再開発のため閉店。有楽町ITOCiA+有楽町マルイの誕生に始まった銀座界隈の再開発ラッシュは、今後もしばらく続くようです。ITOCiAとマルイに相対する一角、名店ももやのあった場所はかろうじて残されていますが、ももやはパチンコ屋さんにとってかわられていました(涙)

TULLY'S COFFEE(タリーズコーヒー)
銀座六丁目昭和通り店
東京都中央区銀座6-14-5
【Map】 Yahoo!地図情報
【Web】 http://www.tullys.co.jp/

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