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2009年7月 6日 (月)

『フリーポア ラテアート』バリスタテクニック応用編

Latteart_book

フリーポア・ラテアートのワールドチャンピオン、澤田洋史さんの著書が発売になりました。

フリーポア ラテアート
旭屋出版
澤田洋史:著
定価1.890円(税込)

「テクニック 01」の章ではエスプレッソの抽出とミルクのスチーミングが詳しく図解され、「テクニック 02」の章では基本のロゼッタから、複数のラテアートを組み合わせて描く方法まで解説されています。

しかしなんといっても見とれてしまうのは、「エクストリーム ラテアート」の章で紹介されている澤田さんのラテアートの数々。カップの中に5つのロゼッタが星形に輝いていたり、ハートに矢が刺さっていたり。

ミルクピッチャーの動きだけでこれらを描きだす技術には、驚くばかりですね。自分でもラテアートに初挑戦して、「胞子をばらまく毒キノコ」、「消えゆく背後霊」などを描いてしまったあとでは、いっそう澤田さんのすごさを認識してしまいます。

Barista

本そのものから、アメリカン・カルチャーくささが強く感じられるのも魅力です。デザインもそうですし、たとえば「ラテアートのための問題解決」(トラブルシューティング)などという表現がいかにもアメリカっぽいですよね。

また、「ヒロシ・サワダのバリスタスタイル」として、澤田さんが主に北米でコレクションした、コーヒー豆やラテアートをかたどったファッションアイテムを公開しているのも、従来のバリスタブックとはテイストの異なる新鮮さを感じました。

ここで紹介されているコーヒー豆のかたちをしたゴールドのピアスが素敵なのですが、なんと、本物のコーヒー豆をずらりと連ねたブレスレットもあるんですね。焙煎の度合いを違えて、ベージュ色の豆から焦げ茶色の豆までカラフルに連ねるという凝ったつくり!

そんな細かなところまで、たっぷり楽しめる本です。ぜひ書店で実物をご覧ください。

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2009年7月 1日 (水)

沖縄の蚊取り線香

毎年、蒸し暑くなってくるたびに悩まされてきた蚊取り線香問題。今年はようやく良い解決策に出会えたような気がします。

困っていたポイントは、火を使わない電子蚊取り線香も、昔ながらのスタイルの緑いろの渦巻きに火をつける蚊取り線香も、農薬を含んでいること。化学的な殺虫成分で蚊を殺すのですね。人間がその空気を呼吸していると、アレルギーの原因になると言われています。

かわりに使ってみた「菊花せんこう」は、天然の除虫菊や除虫草から作られた、安心できる虫よけ。農薬不使用のぶん、「殺虫」効果はなくて優しい「防虫」ですが、困るのは煙が多いこと。虫よりも私の喉のほうにダメージが大きいような気がします。

そのため、これまではもっぱら精油にお世話になっていて、シトロネラの精油や月桃の精油をアロマポットにたらしてキャンドルに火をつけていました。でも、ちょっとだけ火が心配なのですよね。

今年はどうしようかな、と思っていたときに、たまたまAll Aboutのスタイルトアでみつけたのが、「うる月桃香」という月桃の葉を練りこみ、化学物質をまったく使わずに作られた虫よけ線香。(決してスタイルストアの宣伝では…)

Getto

琉球ガラスの香炉とセットになって販売されているのを購入してみたら、煙がほのか、香りもほのかで、とても使いやすいのです。そして、ディープな沖縄好きの方ならご存じかと思いますが、月桃の香りとは、すなわちムーチーのおいしそうな香り! 好き嫌いはありますけれども。

(ふと、石垣島の小さなよろず食品店で買って食べたムーチーより、東京に戻って沖縄からお取り寄せしたムーチーのほうがずっとおいしかったという記憶がよみがえりました…)

防虫効果のほどは、まだこれから実力を確認というところですが、なるべくクーラーをつけずに過ごしたい人にとって、貴重な道具になるかもしれません。4色の琉球ガラスの香炉のなかから、上の写真と同じ濃い水色を選びましたが、海を思わせるきれいな色です。

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2009年6月28日 (日)

hiki cafe(ヒキカフェ)…渋谷

hiki cafeがビルの取り壊しにより移転。1年の準備期間を経て、旧店舗からすぐ近くの場所で、今年3月に再スタートを切りました。エントランスの緑が繊細な美しさ。この季節、オープンテラスで飲むビールは天国の味がしますね。

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ヒキという店名は何を意味するのですか、とマネージャーに尋ねたら、琉球や東南アジア一帯の神話に出てくる龍の子どもの名前ですって。龍の子どもは9匹いますが、この子どもには亀のような甲羅がついていて、9匹のなかで最も可愛がられたのだとか。贔屓(ひいき)という言葉はここから生まれたようです。

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ヒキカフェのお料理はイタリアンがベースです。シェフは10年ほど前にフィレンツェで修業した経験のある男性。自慢は三浦のとれたて野菜を用いて、季節ごとにさまざまなメニューを展開していること。

その野菜をちょっと見せていただいたら、珍しい品種がたくさん! 写真上の右側の緑色は丸ズッキーニ、ゴボウのように見えるのは黒ニンジン、黄色いのはコリンキーかぼちゃです。コリンキーを極薄スライスして生のままかじると、メロンを思わせる甘さ。

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写真上左: 雑誌の取材のために作っていただいた「冷製ガーデンリゾット カポナータ添え」。夏野菜のおいしさが凝縮されています。

写真上右: ひとりで白ワイン(ドメーヌ・ルイモロー シャブリ06/グラス850円)を飲みながら夕食をいただいたときのもの。最初に注文したのは「ローストチキンとホウレン草のサラダ」(900円/ラージサイズは1300円)。

写真下左(1): 次に注文したのが、手打ちパスタ「海老のトマトクリーム・自家製ストラッチパスタ」(1450円)。ストラッチトと言ったらトルコではお米のプディングのことで、私はイスタンブールでいやというほど食べたのですが、イタリア料理においては1枚のハンカチのように広く薄くのばしたパスタ。それを食べやすい大きさにカットして、お料理に仕立てます。

写真下左(2): デザートにいただいたのは「リコッタチーズのクレープ包み ブルーベリーソース バニラアイス添え」。クレープのほうは甘みゼロでリコッタチーズの味わいを生かし、微量の甘みはバニラアイスが担当していました。スイーツが苦手な男性でも抵抗なく食べられそう。エスプレッソ(450円)とともに。

Hikicafe_05

【メニューの例】 ※定番メニュー以外は、ほぼ毎月変わるそうです。

カプチーノ …\550
ハイネケン(ドラフト)…\650
真タコのカルパッチョ …\850
田舎風キッシュ …\650
地野菜の冷製バーニャカウダ …\650
焼き野菜サンドウィッチ …\1000
シチリアントマトのスパゲッティーニ …\1000
グリルチキンの塩ラグースパゲッティーニ …\1150
仔羊すね肉のトマト煮込み マルサラ風味 …\1850
骨つき鶏もも肉の香草オーブン焼き …\1250
魚介と旬野菜のブイヤベース …\1850

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hiki cafe(ヒキカフェ)
東京都渋谷区宇田川町36-19
【TEL】 03-3770-1345
【OPEN】 11:30~24:00、金土祝前11:30~25:00、日祝11:30~23:00
【CLOSE】 無休
【MAP】 Yahoo!地図情報

渋谷カフェMAPを作りました。渋谷全体のカフェ情報はそちらをどうぞ。

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2009年6月26日 (金)

『未来の食卓』~悪いと知っていて食べるのは人間だけ

未来の食卓 京橋の映画美学校で、フランスのドキュメンタリー映画『未来の食卓』の試写を観てまいりました。

舞台は南仏の小さな村。一見、緑豊かな環境に恵まれた農業地帯のようですが、じつは農園には大量の殺虫剤や化学薬品が散布されており、大人から子どもまでガンや白血病の罹患率が増加の一途をだとっています。

村長は「村の小学校の給食をすべてオーガニックにする」という異例の試みに挑戦し、子どもたちや村の人々、農家を巻き込んで、小さな奇跡の輪を少しずつひろげていきます。

笑えるのは、登場する子どもたちがけっこう正直なこと。ある男の子はニンジンが嫌いでフライドポテトが大好き。給食からフライドポテトが姿を消したことに、まだ未練たっぷりのようです。そして彼の姿は、確実に肥満の兆候を示しているように見えます。

上映終了後、来日して日仏会館での記者会見を終えたばかりのジャン=ポール・ジョー監督が会場に駆けつけて、小さな会場を埋め尽くした観客に向けて短いスピーチをおこないました。

そのなかで最も印象的だった言葉が:

「体に悪いと知っていながら、それを自分の子どもに与える動物は人間だけ」
「悪いとわかっていながら食べ続ける動物は人間だけ」。

ジャン=ポール・ジョー監督自身がガンを患ったことが、食生活と環境を“どこか遠くの問題”ではなく、真に自分の身にさし迫った問題として考える契機となったようです。

映画の中では、のどかで美しい田園風景のなか、宇宙服のような防護マスクをかぶった農民がトラクターに乗って農薬を散布していく姿が衝撃的ですが、フランスは農業大国、日本はそうではないからここまでひどくないはず…と思うのは大きな間違い。映画のパンフレットによれば、日本は1ヘクタールあたりの農薬使用量がなんと世界で第2~3位という恐ろしいことになっているのですって。

私たちにとっても、もはや、オーガニック食材は価格が高めだとか、それについて考えるのが面倒とかいう次元ではすまされない事態になっているのを痛感しました。

日本の農業にも、まだ希望があるようです。たとえば各メディアで何度かお見かけした松木一浩氏は、タイユヴァン・ロブションの総給仕長から農業に転身し、静岡の「ビオファームまつき」でおいしい有機野菜を育て、その野菜を気軽にたっぷり食べられるデリカフェ、ビオデリを成功させていますね。

従来の農業にはなかった要素を持ち込んだそのビジネスモデルは、最近増えているという農業を志す若い人々にも少なからぬ勇気を与えているはず。私たちはその野菜を選んで食べることで、ちょっとずつ支えていけますね。

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2009年6月25日 (木)

LOBROS(ロブロス)…自由が丘Trainchi

自由が丘Trainchi

自由が丘駅前の線路沿いに造られた小さな2階建てのショッピングモール「トレインチ自由が丘」。 自由が丘に出かけたついでにのぞいてみたら、13のショップの集合体のなかに、ダイニングカフェ・LOBROS(ロブロス)と、軽井沢でおなじみのブランジェ淺野屋のベーカリーカフェが入っていました。

LOBROSは“東京スタイルベーカリー”と銘打ったベーカリーが品川クイーンズ伊勢丹の中にも最近オープンして、バゲットを買って帰ったことがあるのですが、自由が丘には数年前からダイニングカフェが出店していたのですね。

天気予報に反して日射しのまぶしい平日13:30のLOBROSは、テラス席も店内も満席で、お客さまはみごとに全員が女性。お店の扉を開けると、正面のショーケースに野菜やスイーツが並び、その向こうには白い制服のスタッフがてきぱきと立ち働くオープンキッチン。ちょうど一組のお客さまが帰るところで、感じの良い女性スタッフが席に案内してくれました。

ロブロス

お店の空気感は、カリフォルニアかハワイのような環太平洋系。パシフィック・リム、という言い方を一時期はさかんに耳にしましたけれども、最近はあまりお目にかかりませんね。

いただいたのはパスタランチ(サラダ、パン、コーヒー付きで\1300)。ボイルしたブロッコリーをジェノベーゼソースで和え、松の実とパルミジャーノをあしらって。

お店の自慢は契約農家から直送される有機野菜とのことだったのですが、残念なことにサラダのレタスには、カットしてから時間が経過したことを示す褐色のふちどりが…。最も忙しい時間帯に提供する、おまけのようなサラダですから仕方ないとも言えますが、些細なところで些細ながっかりに遭遇すると、夜に本気で食べに来ようかな、という気持ちがそがれてしまうものですね。

スタッフの方々がみな好印象だっただけに、いっそうもったいなく感じられました。

Trainchi

トレインチという名称は、かつて大井町線の車両基地だったことに由来するそう。自由が丘駅からのアプローチの壁面には、線路の枕木だったのではないかと思われる古材が使われていました。

LOBROS(ロブロス)
東京都世田谷区奥沢5-42-3 トレインチ内
【TEL】 03-5483-4600
【OPEN】 11:00~23:00 ※全席禁煙

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2009年6月24日 (水)

京都・長久堂の666

666

長久堂がとあるカフェのために作っている月替わりのお菓子。6月はソーダ味のこんぺいとうの上に、紫陽花と「6」の干菓子が3つ並んでいます。

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2009年6月23日 (火)

桜丘カフェ(さくらがおかカフェ)…渋谷

桜丘カフェの写真

宇田川カフェの姉妹店、「桜丘カフェ」が2009年春にオープンしました。周辺はオフィス街。しかもインフォスタワーの裏手という立地とあって、午後4時過ぎの店内のお客さまは打ち合わせをするビジネスマンや、ひとりでお茶をするビジネスウーマンが大半でした。センター街にある宇田川カフェとは対照的な光景です。      

桜丘カフェの写真

オーナーとスタッフがあちこちから集めたというユーズド家具のヴァラエティ、壁に輝く大きな浮世絵風パネル、巧みな間接照明使いが独得の空気を醸し出しています。決して小綺麗ではない、ざらっとした感触の面白さ。

入って右手にはヨーロッパの古城の柵めいた格子が並び、カウンター席のパーティションの役割を果たしていました。なぜ“古城”と感じたかといえば、壁に大きな動物の頭の剥製が飾られていたから。  

桜丘カフェの写真

夕方からのメニューは、お酒を飲むのにぴったりの構成でした。写真上は「温野菜バーニャカウダ添え」(850円)と甘エビのアヒーリョ(バケット付・850円)。どちらもここ数年の間に非常にポピュラーになったお料理ですね。私はどこにワインを飲みに行っても、メニューの中にこの2品を見つけると必ず注文しているような気がします。

お店の外は桜並木。広めのテラス席には真紅のソファも置かれていて、春先には絶好のお花見カフェだったのだろうなと思わせました。 店内のBGMがたいへんな音量で、大声の出ない私には会話がしにくい、そして読書もしにくい環境なので、その意味でもテラスは快適でした。

テラスの写真

桜丘カフェ(さくらがおかカフェ)
東京都渋谷区桜丘町23-3
【TEL】 03-5728-3242
【OPEN】 11:30~28:00、無休
【MAP】 Yahoo!地図情報

渋谷カフェMAPを作りました。渋谷全体のカフェ情報はそちらをどうぞ。

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2009年6月22日 (月)

『カフェに教わるおいしいごはん』、お弟子さん事件

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たくさんの方々のご協力を得て、レシピムック『カフェに教わるおいしいごはん』が6月18日、無事に発売になりました。合計79のレシピと、65軒のカフェのショップデータを掲載。レシピブックとしてもカフェガイドとしてもご活用いただける、充実した1冊です。

とりたててカテゴライズはしませんでしたが、野菜たっぷりのレシピの中には、マクロビオティック料理を供する各カフェで教えていただいたマクロビオティック・メニューが幾つも含まれています。マクロビオティックならではの陰陽五行思想に基づいた玉ネギの切り方、「まわし切り」なども簡単にご紹介しています。

あるカフェで、「もし風邪が陰性だとすれば、風邪をひきかけたら陽性の食材を食べればいいのですか?」と単純な質問をしてみたら、「陰性の風邪と、陽性の風邪があるんですよ」と奥深い回答が返ってきました。

Receipe_02

貴重なお時間をさいてご協力くださった皆さまに、あらためて心より御礼申し上げます。あのレシピや、このレシピを、私は自宅でもう何度も作りました。撮影後に試食して、卵を使わずにこんなおいしいアイスクリームが作れてしまうのね?!と感動したレシピもあります。

3人組で各カフェを取材してまわった間に何度か苦笑した、小さなできごと。それはカフェのオーナーが、編集部の若い女性とカメラマンを指して「川口さんのお弟子さんたち」と呼ぶことがあるという事実。年齢のおかげでそう見えるのでしょう。3、4軒のカフェで「お弟子さんたち」という言葉に接して、そのたびに「あのお二人は弟子ではないんですよー」とあわてて訂正しなければなりませんでした。

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2009年6月20日 (土)

JTENTEN(銀座)で共感覚の話、ソナタ形式のコーヒー

この春、銀座6丁目にオープンした珈琲店『時・・』(じてんてん)に取材におじゃました折に、マスターやスタッフの方々と「共感覚」についての話をして、人それぞれの感覚の違いを楽しみました。

共感覚とは、たとえば音を聞くと色が見えたり、香りをかぐとかたちが見えたりして、ひとつの刺激に2つの感覚が伴うこと。大なり小なり、共感覚を持つ人は決して少なくないようです。

私の場合は音、文字、香り、味など、かなりの感覚が色彩を伴うことがあります。脳が勝手に変換するらしく、数字の2はいつもバナナ色、3は必ずストロベリーピンクに見えるのです。(なぜ、食べもの…?)  

色彩の共感覚を持つ人どうしのあいだで、具体的なあるものを何色に変換するかについては全く共通点がなく、3が黒に見える人も、青に見える人もいるのが面白いところ。
某幼児音楽教室では、最初から音と色の固定された対応を子どもたちに教えていて、それについては批判があるという話をマスターからうかがいましたが、同感です。私にはドの音が茶色と空色のマーブル状に混じった色に見えますから、先生から

「ドの音は緑色だと覚えましょう」

と教えられたら、混乱してしまうに違いありません。

興奮したのは、「時・・」のマスター岩崎さんがコーヒーの味や香りを立体的なかたちとしてとらえていたこと。思いつきを書き留めるというノートには、たとえばマンデリンのロースとしての味と香り、その翌日の味と香りなどが、図形で記録されていました! 岩崎さんの場合はかたちの共感覚が強いようです。

「時・・」で働くスタッフは、岩崎さん以下、プロの音楽家として活躍している人々なので、このかたちをさらに進めて、コーヒーの味と香りを音楽形式で組み立てられるかもしれません。たとえばソナタ形式で表現するコーヒーとか。

【ソナタ形式のコーヒー表現】
 序奏:鼻を近づけたときの香り
 提示部:ひとくち目の味(第一主題=苦み、第二主題=酸味)
 展開部:コーヒーの温度が下がってきたときに姿を現す風味
 再現部:飲み続けて、コーヒーの全体像が見えてきたときの印象
 コーダ:飲み終えたあとに舌に残る余韻

一杯のコーヒーは、一曲のソナタ。たとえば「ヤナーチェクのピアノソナタのように不吉な予感に満ちたコーヒー」と表現することもできるかもしれません。
(ここでヤナーチェクが出てくるのは、もちろん、村上春樹『1Q84』を読み終えたところだから)

銀六珈琲『時・・』(じてんてん)
東京都中央区銀座6-12-15 COI ビル2階
【TEL】 03-3572-5033
【OPEN】 11:00~20:00頃

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2009年6月15日 (月)

Cascina Canamilla(カッシーナ・カナミッラ)@中目黒

中目黒のリストランテ・カッシーナ・カナミッラで夫と夕食。窓辺の席にしていただいたので、天井の高い窓のすぐそばに桜並木の濃い緑が見えて、その上に暮れてゆく空がひろがっていました。4月には最高の桜観賞ディナーができたことでしょう。

Canamilla_01

コースは5000円から。素晴らしいコストパフォーマンスの良さです。私たちは5000円のコースを選び、さらにアラカルトから仔羊料理をもう1品を選んで追加するという変則・大食漢コースを組み立て、快く応じていただきました。

ワインも、「白+赤+スプマンテまたはデザートワイン」をグラスで1杯ずつ、というグラス3杯2000円という気の利いたメニューが用意されています。「最初にスプマンテ、それから白、赤の順で」とお願いして、お料理とともに良い流れで楽しむことができました。プロセッコとはいえ、スプマンテが最初に飲むにはやや甘かったけれど。

夫は前菜のプレートの左下にあるタコと茄子のマリネ(テリーヌ風に見えています)がいたく気に入っていました。スプーンの上にひとくち分盛られているのはゴルゴンゾーラとクルミ。

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左: 沖ギスラグーのペペロンチーノ、サルデーニャ産カラスミを添えて。(夫が注文。2皿に分けてサーブしてくれました)

右:古代小麦を練り込んだタリアテッレ、自家製サルシッチャ、ペコリーノチーズ添え。(私が注文) サルシッチャは生ソーセージ。このサルシッチャは唐辛子を効かせたピリ辛のおいしさで、トマトの風味やタリアッテレの麺そのものの風味とよく馴染んでいました。

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こちらは私のメイン。鯛のウロコ焼きバルサミコソース。鯛の焼いた皮の香ばしさ、ウロコのぱりぱりした食感は、私の個人的三大美味のひとつ!

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こちらは夫のメインで、赤足海老と赤イカのスピエディーノ 。スピエディーノというのは串焼き料理のこと。

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追加注文した柔らかでジューシーな仔羊のロースト。絶品。ローストしたジャガイモと空豆がまたほくほくとして風味豊かで。

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ドルチェは濃厚なエスプレッソで作ったゼリーの上に、マスカルポーネのジェラートをのせた一皿。

知人の推薦で足を運んでみたお店ですが、まことに当たりでした。リストランテと名づけられているものの、空間はいたってカジュアルで気取らない感じ。接客もスムーズであたたかく、気のおけない人とおいしい夕食を楽しみたいときにおすすめの1軒です。

リストランテ・カッシーナ・カナミッラ
東京都目黒区青葉台1-23-3 青葉台東和ビル2F
【TEL】 03-3715-4040

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2009年6月13日 (土)

コーヒーは恋人を選ぶように選べ!

金曜日の夜、閉店後のBEAR POND espressoにて、パブリック・カッピングがおこなわれました。お客さまにコーヒーの味わい方、楽しみ方を知ってほしいから、とのことでなんと無料!

最初にオーナーの田中さんがカッピングの方法を説明してくれました。2種類の豆について、フレグランス(豆を挽いて粉にしたときの香り)→アロマ(粉にお湯を注いだときの香り)→ブレイク(そこにスプーンを入れて、浮いた粉をよけて混ぜたときの香り)→ブライトネス→フレーバー→ボディ→アフターテイスト、の順に味わっていきます。

8名の参加者は、他の人のコメントにまどさわれないよう私語禁止のルールを守って、自分の感じたことをカッピング・フォームに書いていきます。終了後、一人ずつコメントを述べていくのですが、どんな感想も正解。

田中さんいわく「自分の感覚でいいんです。恋人を選ぶときに、ミス・ユニヴァースの審査員のアドバイスを求めたりしないでしょう(笑) コーヒーだって、自分でこの味が好きだと判断できればいいんです」

ただし、自分が本当はどんな味が好きなのかについては、意外に知らないことが多いもの。一度「酸っぱいコーヒーは嫌い」と思いこんでしまうと、シトラス系のすばらしい酸味の世界への扉を自分で閉めてしまうことになります。

「僕の仕事は、その感覚の扉を開ける手伝いをすること」と田中さん。私は自分の嗅覚がかなり視覚の影響を受けやすいことを発見しました。

同じ香りでも、脳の記憶のひきだしのどの部分を開けるかは人によって全く違うから、本当に印象が異なるのですね。まさに、コーヒーの好みも恋人の好みと同じように十人十色。

私はこの日カッピングしたアフリカ、マラウィの力強くフルーティーな豆が気に入って、100g購入して帰りました。

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2009年6月11日 (木)

奥野修さん×オオヤミノルさん対談@ディモンシュ(鎌倉)

鎌倉のcafe vivement dimancheの15周年記念イベント、コーヒー・トーク・セッションvol.4は、京都コーヒー界の有名人おふたりを招いて大盛況のなかでおこなわれました。ディモンシュ堀内マスター、六曜社地下店の奥野修マスター、最近京都のコーヒー自慢のカフェで使われていることの多いオオヤコーヒ焙煎所のオオヤミノルさんというすばらしい顔合わせ。

奥野さんは「オクノ修」としてのミュージシャン活動でも知られていますが、本日のトークセッションでもギター弾き語りを披露してくださいました。名曲『ランベルマイユ コーヒー店』。CDでは何度も聴いていたのですが、生で聴くのは初めて。こみあげてくるものがあって、涙せずにはいられませんでした。(隣で友人も涙していたよう)

街角の小さな喫茶店に毎朝満ちている珈琲の香り。今日という一日を地道に積み重ねて生きていこうという気持ち。働くということ。喫茶魂のようなもの……そんなことがみな、歌うオクノ修さんの姿からあふれ出していて、言っていることと実際にしていることのあいだにズレの少ない生き方をしている人ならではの説得力。

オオヤさんが「やめてしまいたくなる日は六曜社地下店に行って、奥野さんがカウンターにいる姿を見る」とおっしゃるのも、堀内さんが同じ意味のことをおっしゃるのも、深くうなずけました。

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